樹木葬に興味はあっても、「家族に反対されないか」「後でもめないか」と不安を感じている方は少なくありません。
実際、樹木葬は比較的新しい埋葬方法であるがゆえに、家族間で認識がずれやすく、事前に話し合いをしておかないとトラブルに発展するケースも報告されています。
よくある対立点は「場所・合祀・費用」の3つです。どれも、本人だけで決めて事後報告になってしまうことが引き金になっています。生前にここだけ押さえておけば、家族間のもめごとはぐっと減ります。
樹木葬で家族がもめる原因の大半は「一人で決めてしまうこと」にある
複数の葬祭専門業者が報告する事例によると、樹木葬にまつわるトラブルの多くは、本人が家族への説明なく話を進めてしまったことが発端です。
家族からすると、「先祖代々の墓に入らないの?」「合祀されたらお参りの場所がわからなくなる」といった不安が一気に出てきます。特に、伝統的なお墓を大切にしてきた家庭では、自然志向で樹木葬を希望する本人と、従来の供養観を持つ親族との間で感情的な対立が起きやすいとされています。
事前に話し合ったからといってすべての摩擦がなくなるわけではありません。ただ、生前に家族と情報を共有し、一定の合意を得ておくことで、多くのもめごとはある程度防ぐことができます。
「場所とお参りのしやすさ」は家族と一緒に足を運んで確かめるべき理由
意外と多いのが、アクセス面での不満です。本人は気に入った霊園を選んだのに、家族にとっては「遠すぎてお参りに行けない」というケースが報告されています。
お墓は、遺された家族が何年も通い続ける場所です。だからこそ、見学には家族も同席することが大切です。
場所の雰囲気だけでなく、参拝の方法も現地で確かめてください。線香が使えるか、献花はできるか。こうした細かいルールは施設によって大きく異なります。専門業者によると、線香・献花が使えないタイプの樹木葬も存在しています。
家族が自分の目で見て、「ここなら通える」「ここでお参りできる」と感じられるかどうか。それを生前のうちに確認しておくことが、後からの不満を防ぐ一番の手がかりです。
合祀と返骨の条件は「後から変えられない」と知っておくことが肝心
樹木葬には、一定期間が経過すると他の方の遺骨と一緒に埋葬される「合祀」の仕組みがあります。この合祀について、家族が十分に知らないまま契約に至ってしまうと、後になって「遺骨を取り出したい」「別のお墓に移したい」と思っても対応できないケースが出てきます。
「樹木葬ならいつでも遺骨を取り出せる」という思い込みは、よくある誤解のひとつです。
専門業者の報告によると、返骨不可・改葬不可の条件を見落としたまま契約し、後から家族内でもめたという事例が複数あります。
契約前には、次の2点を必ず書面で確認しておきましょう。
- 個別に安置される期間はいつまでか、延長はできるか
- 合祀後に遺骨を取り出す・別の墓に移すことはできるか
霊園や寺院によってルールはまったく異なります。「きっとできるだろう」という思い込みで話を進めることが、家族間のもめごとの種になります。
費用の「総額と内訳」を家族と正直に共有しているか
「樹木葬は安い」というイメージを持っている方は多いですが、専門業者によると費用の目安は約5万円から80万円以上と幅があります。立地やタイプによっては、一般的なお墓と変わらない金額になることもあります。
費用の内訳としては、永代使用料・永代供養料・埋葬料・銘板彫刻料などが挙げられます。なかでも永代使用料は地価に大きく左右されるため、都市部の霊園では高額になりやすい点も知っておく必要があります。
費用の認識がずれたまま話が進むと、後から家族が「そんなにかかったの?」と驚くことになりかねません。総額と内訳を生前のうちに家族と共有しておくことが、費用をめぐるもめごとを防ぐ近道です。
まとめ:樹木葬で家族ともめないために、生前の「事前」準備が全て
樹木葬で家族がもめる場面には、「場所とお参り」「合祀・返骨の条件」「費用の認識」という3つの対立点が絡んでいることがほとんどです。
どれも共通しているのは、本人が一人で決めて事後報告になってしまうことがトラブルの引き金になっているという点です。
生前のうちに家族と話し合い、見学に同行してもらい、契約内容を一緒に確認する。それだけで、家族の不安や反発はかなり和らぎます。
すべての摩擦を防ぐことはできません。ただ、早めに動くほど、遺された家族の負担は確実に軽くなります。 樹木葬を考え始めたそのタイミングが、家族との話し合いを始める好機です。

