宇宙葬とバルーン葬を比べるときは、名前の印象よりも遺灰の行き先・送る量・契約総額・延期や失敗時の扱いを先に確認することが大切です。同じ呼び名でも、ロケットで打ち上げる方式、空中で散骨する方式、海へ散骨する方式があり、遺灰の行き先や残るものが変わります。
2026年8月に確認できた提供元の料金例は、バルーンを使うプランが基本料金23万〜24万円(税別)、ロケットを使うプランが55万円または110万円(税込)でした。ただし、これは相場ではなく個別プランの表示額です。
粉骨、立会い、出張、映像、延期時の費用を加えた見積総額で比べてください。
墓じまい後の遺骨を利用するなら、契約より先に現在の墓地管理者と自治体へ相談します。別の墓地・納骨堂へ移す場合と散骨する場合では確認事項が異なるためです。全量を手放すか、一部を残して手を合わせる場所を確保するかも家族で決めておきましょう。
- 宇宙葬・バルーン葬は、名称だけでなく遺灰の行き先と送れる量で比べます。
- 表示価格だけでなく、粉骨などを含む総額と延期・失敗時の返金条件を確認します。
- 墓から遺骨を取り出す前に管理者と自治体へ相談し、残す遺骨の供養も家族で決めます。
宇宙葬とバルーン葬はどこへ何を送るかが違う
「宇宙葬」「バルーン葬」という呼び方だけでは、方法を見分けられません。比較しやすいよう、ロケットで遺灰入りカプセルを打ち上げるものを「ロケット型」、気球を使って空中または海へ散骨するものを「バルーン型」と分けて考えます。
まず、契約後の遺灰の行き先を確かめます。
| 方式 | 行き先 | 遺灰量の例 | 主な確認点 |
|---|---|---|---|
| ロケット型 | 宇宙空間・軌道など | 少量または一部 | 軌道、再突入、失敗時 |
| 空中散骨型 | 上空で散骨 | 提供元の容器容量内 | 高度、散骨地点、延期条件 |
| 海洋散骨型 | 気球で運び海へ散骨 | 提供元の容器容量内 | 飛行経路、着水方法、回収物 |
ロケット型でも、軌道を周回した後に大気圏へ再突入するプランや、打ち上げる量が異なるプランがあります。バルーン型も、上空で散骨するものと、成層圏付近まで飛行した後にパラシュートで海へ向かうものがあります。
名称だけで「宇宙に残る」「空で散骨される」と決めつけず、工程を書面で確認してください。

費用は相場より「料金に含まれるもの」で比べる
料金は、粉骨や出張などを基本料金に含むかで見積総額が変わります。以下は、国内提供元の公式ページで2026年8月に確認した表示価格の例です。
価格改定や受付条件の変更があり得るため、申込時は最新の見積書を取り直してください。
| 提供例 | 表示価格 | 量・条件 | 別に確認する費用 |
|---|---|---|---|
| ロケット型 | 55万円(税込) | 約5×5×5cmの小容器 | 輸送、追加記念品 |
| ロケット型 | 110万円(税込) | 約5×5×10cmの一部遺骨 | 輸送、追加記念品 |
| バルーン海洋型 | 基本23万円(税別) | 飛行通知・写真などを含む例 | 粉骨2万円(税別) |
| バルーン型 | 基本24万円(税別) | 提供元所定の基本プラン | 粉骨、立会い、出張など |
表示価格をそろえて見るには、税込・税別を合わせ、必要なオプションを足します。見積書には、少なくとも次の項目を分けて記載してもらうと比較しやすくなります。
- 基本料金が税込か税別か
- 洗浄・乾燥・粉骨と専用容器の費用
- 遺骨の発送、立会い、出張、会場の費用
- 証明書、写真、映像、記念品の費用
- 天候延期、打ち上げ中止、再実施、解約時の負担

国民生活センターは、墓じまいに関する相談で、墓地管理者から高額な離檀料などを請求された事例を紹介しています。新しい供養の料金だけを予算にせず、墓じまい費用、取り出し、改葬手続き、残る遺骨の供養まで含めた総額を確認しましょう。
解決しない契約トラブルは、消費者ホットライン188へ相談できます。
契約前に確認する7項目
候補を絞ったら、口頭説明だけでなく、約款・申込書・見積書で次の7項目を確認します。回答が曖昧な項目は、契約前にメールなど記録が残る形で質問してください。
- 最終的な行き先:軌道上、上空、海上のどこで、遺灰や容器がどうなるか
- 預けられる遺灰量:容器寸法・重量上限と、全量を受け付けるか
- 粉骨と梱包:誰が行い、料金に何が含まれ、送付中の補償があるか
- 実施時期:予定日、天候や打ち上げ都合による待機期間、変更連絡の方法
- 延期・失敗時の扱い:再実施、返金、追加料金、事業終了時の返還条件
- 実施確認の方法:証明書、写真、映像、位置情報など何が渡されるか
- 総額と解約条件:税込総額、追加費用、支払時期、キャンセル料
特に見落としやすいのが、実施できなかった場合の扱いです。確認したロケット型の一例では、打ち上げが失敗しても返金されない旨が案内されています。すべてのサービスに共通する条件ではないため、候補ごとの約款を読み、再実施と返金のどちらがあるかを確認します。
墓じまい後の遺骨なら自治体と墓地管理者へ先に確認する
墓じまいで遺骨を取り出し、別の墓地や納骨堂へ移す場合は、墓地、埋葬等に関する法律に基づく改葬許可が必要です。一般には現在の墓地がある市区町村へ申請し、許可証を移転先へ提出します。必要書類や手順は自治体で確認してください。
一方、取り出した遺骨を散骨する場合の手続きは、別の墓地へ移す改葬と同じとは限りません。厚生労働省は散骨事業者向けのガイドラインを示していますが、自治体の条例・指針や墓地管理者の書類確認も関係します。
「散骨だから改葬許可は不要」と自己判断せず、現在の墓地管理者と墓地所在地の自治体へ、宇宙葬またはバルーン葬を予定していることを伝えましょう。
相談時には、埋蔵・収蔵証明書が必要か、取り出し日までに何を用意するか、遺骨の一部を残す場合の扱いも確認します。運搬方法を先に把握しておくと、取り出し後の保管や発送を落ち着いて準備できます。
残り遺骨と手を合わせる場所を家族で決める
小さなカプセルを使うロケット型では、手元に遺骨が残ることがあります。バルーン型でも全量を預けられるかは、容器容量や受け入れ条件によります。
「全量を送れると思っていた」「手元に何も残らないとは知らなかった」という行き違いを避けるため、量をグラムや容器寸法で確認します。
家族の意向と、実施後にどこで手を合わせるかを比べると、契約を進められる状態か判断しやすくなります。
契約を進めやすい状態
- 送る量と残す量を家族で合意している
- 手元供養や納骨など残り遺骨の行き先がある
- 実施後に手を合わせる方法を決めている
いったん保留する状態
- 全量を預けられるか確認できていない
- 家族に反対や理解のずれが残っている
- 残り遺骨の保管先や供養方法が未定である
新しい供養を選ぶことと、従来の墓や仏壇を持たないことは同じではありません。自宅の小さな手元供養、納骨堂、樹木葬などを組み合わせる選択もあります。故人の希望だけでなく、遺族が実施後に後悔しない形を優先してください。
宇宙葬・バルーン葬の費用と手続きで迷いやすい点
宇宙葬やバルーン葬で遺骨をすべて預けられますか?
判断点を先に確認します。プランによります。ロケット型は小さな専用容器に一部を納める例があり、全量プランは問い合わせ扱いの場合があります。バルーン型も容量条件があるため、重量または容器寸法と、残る遺骨の返却方法を確認してください。
バルーン葬は遺灰が宇宙まで届くのですか?
サービスによって異なります。成層圏付近まで上昇して上空で散骨するものもあれば、気球で運んだ後に海へ散骨するものもあります。到達高度、散骨地点、容器や機材の扱いを契約書で確認しましょう。
ロケットの打ち上げが失敗したら返金されますか?
返金の有無は提供元の約款次第です。確認した一例には打ち上げ失敗時も返金しない条件がありました。再打ち上げ、遺灰の返還、追加料金も含め、申込前に書面で確認してください。
一部の遺骨を宇宙葬にする場合も自治体への確認は必要ですか?
墓から取り出す場合は、量にかかわらず先に墓地管理者と墓地所在地の自治体へ相談するのが安全です。別の墓地・納骨堂へ移すなら改葬許可が必要です。散骨予定の場合の書類や扱いは自治体へ具体的に確認してください。
宇宙葬・バルーン葬は行き先・総額・延期や失敗時の対応で選ぶ
宇宙葬とバルーン葬は、故人らしい送り方になり得ますが、名前だけでは内容を判断できません。行き先、遺灰量、粉骨、税込総額、実施時期、延期・失敗時の扱い、実施証明の7項目を、候補ごとに同じ順番で比べましょう。
墓じまいを伴う場合は、サービス探しより先に墓地管理者と自治体へ相談します。そのうえで家族と残り遺骨の行き先を決め、約款と見積書を複数人で読むと、費用と気持ちの両面で納得しやすい選択になります。



