親が介護施設に入所した途端、「実家をどうするか」という問題が目の前に迫ってきます。
荷物の多さ、仏壇や墓の扱い、空き家になった後の管理責任…。何から手をつければいいか分からず、気づけば何年も放置してしまうケースは珍しくありません。
施設入所後の実家整理と墓じまいをスムーズに進めるための段取りを、初めての方にも分かりやすく整理しました。
もくじ
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施設入所直後に動き出すと、家族の負担が劇的に変わる
民間調査によると、実家じまいを経験した人の約6割が「荷物の整理や処分に苦労した」と回答しており、多くが「もっと早くから準備しておけばよかった」と後悔しています。
親が施設に入ったタイミングは、まだ本人と話し合える可能性が残っている貴重な時期でもあります。
思い入れのある品や仏壇の扱いについて、本人の希望を聞いておくだけで、後の判断が格段に楽になります。
「施設入所=すぐに実家を売却しなければならない」と思い込むケースも見受けられますが、それは誤解です。
賃貸・一時保管・空き家管理サービスの活用など、選択肢は複数あります。
焦って動くより、家族で方針を決めてから動く方が、実家整理はずっとスムーズに進みます。
片付けを始める前に、実家の「今後」を家族で決める
片付けに取り掛かる前に、「この実家を今後どうするか」を家族で決めることが先決です。
売却・賃貸・当面維持・解体のどれを選ぶかによって、片付けの優先順位もレベルも変わってくるからです。
方針が固まったら、通帳・権利証・保険証券などの重要書類を最優先で確保し、持ち帰るもの・残すもの・処分するものを仕分けしながら作業を進めるのが基本の流れです。
物量が多い場合は、遺品整理業者への依頼も十分に現実的な選択肢です。
家族だけでは数週間から数か月かかる作業が、専門業者なら1〜数日で完了するケースもあります。
費用は間取りや物量によって数万〜数十万円程度が目安ですが、条件によって大きく異なるため、複数社で見積もりを取ることをおすすめします。
業者を選ぶときは、遺品整理士の資格や一般廃棄物収集運搬業の許可の有無、料金の内訳が明確かどうかを必ず確認してください。
安さだけで選ぶと、不法投棄や高額請求といったトラブルにつながることがあります。
墓じまいは「思ったより時間がかかる」と知っておく
施設入所をきっかけに、先祖代々の墓をどうするかを考え始める家族も増えています。
将来の子ども世代に墓守の負担を残したくないという思いから、永代供養や合祀墓・樹木葬などへ移行するケースも多くなっています。
ただし、墓じまいは1日で終わる作業ではありません。
専門家によると、全体完了まで1〜3か月程度かかるのが一般的な目安とされています。
段取りとしては、まず家族・親族間で方針の合意を得るところからスタートします。
その後、現在の寺院・霊園に意向を伝えて墓地使用契約を確認し、新しい納骨先を決めます。
市区町村に改葬許可を申請して許可証を取得したうえで、閉眼供養を行い、石材店に撤去を依頼するという流れです。
改葬許可申請に必要な書類や手数料は自治体によって異なるため、お住まいの市区町村への確認は欠かせません。
特に注意したいのが離檀料です。
離檀料には全国一律の相場や法的ルールがなく、寺院との関係性や慣習によって金額が大きく異なります。
専門家の間でも「金額はケースバイケース」という見方が一般的で、進め方に迷ったら行政書士などへ早めに相談するのが得策です。
費用全体は、墓石撤去費・閉眼供養料・改葬手数料・新しい納骨先の費用を合算して見積もる必要があります。
条件によって幅が出るため、複数社で見積もりを取り、内訳をしっかり確認するようにしましょう。
まとめ:段取りチェックリストで、家族の負担を劇的に減らす
実家整理と墓じまいは、どちらも「動き出すタイミング」と「段取りの順番」が鍵を握ります。
以下を目安に、まずできることから始めてみてください。
- 家族で「実家の今後の方針」を話し合う(売却・賃貸・維持・解体)
- 親が意思表示できる段階で、思い出の品・仏壇の扱いを確認しておく
- 通帳・権利証・保険証券などの重要書類を最優先で確保する
- 物量が多い場合は遺品整理業者に複数社見積もりを取る
- 墓じまいを考える場合は1〜3か月のスケジュールを確保する
- 改葬許可申請は市区町村に必要書類を確認してから進める
- 離檀料・費用については行政書士や石材店に相談する
「すべて家族でやり切ろう」と抱え込まず、専門業者や専門家をうまく頼ることが、施設入所後の実家整理・墓じまいをスムーズに進める一番の近道です。

