複数のお墓をまとめて改葬したいとき、まず気になるのが「許可申請は何通必要なのか」という点ではないでしょうか。
「霊園が2か所あるから申請も2通?」「改葬先が1か所ならまとめて1通で済む?」と考えてしまいがちですが、申請の数え方には押さえておきたい基本があります。
改葬元の霊園の数ではなく、動かす遺骨の数で決まる。この基本を知ると、手続き全体の量が見えてきます。
改葬許可申請の基本、「遺骨1体につき1通」という数え方
改葬とは、お墓に埋葬されている遺骨を別の場所へ移す手続きです。
一般的に、改葬では市区町村長が発行する改葬許可証の取得が必要とされ、多くの自治体では遺骨1体(故人1名)につき1通が原則とされています。
申請数を考えるときは、「お墓1基につき1通」ではなく、「遺骨1体につき1通」と見ておくと準備しやすくなります。
たとえば1つのお墓に3人分の遺骨が眠っている場合、改葬許可証は3通必要です。
申請書類の提出については、複数名をまとめて記載できる別紙様式を用意している自治体もあります。ただし、まとめて提出できるかどうかは自治体の様式や窓口の判断によって変わるため、事前に確認しておくのが無難です。
改葬元が複数霊園にある場合、申請件数はどう変わるか
複数の霊園が同じ自治体内にある場合
改葬元の霊園が2か所以上あっても、すべてが同一の市区町村内であれば申請窓口は1か所です。
ただし、霊園ごとに管理者が異なるため、それぞれの管理者から「埋蔵証明書」を個別に取得する必要があります。
申請書をまとめられるかどうかは自治体の様式次第で、別紙で一括記載できる運用をとるところもあれば、霊園ごとに書類を分けるよう求めるケースもあります。
いずれにしても、改葬許可証は遺骨1体ごとに発行されます。
複数の霊園が異なる自治体にまたがる場合
この場合は、手続きの確認先が増えやすくなります。
改葬許可申請の窓口は、基本的に「遺骨が現在埋葬されている霊園の所在地の市区町村役所」です。自分が住んでいる自治体とは限りません。
改葬元が複数の自治体にまたがる場合は、自治体ごとに別々の申請手続きが必要です。
たとえばA市の霊園とB町の霊園からそれぞれ遺骨を移す場合、許可申請はA市とB町にそれぞれ行うことになります。申請書の様式・必要書類・手数料も自治体によって異なるため、それぞれの窓口への確認が欠かせません。
手続きが増える主な2つの条件
改葬元が複数の霊園にわたると、次の2点で手間が重なっていきます。
- 遺骨の数が多いほど改葬許可証の通数が増え、書類の記載・管理の負担も増える
- 改葬元の自治体が増えるほど、様式・添付書類・手数料をそれぞれ確認する必要が生じる
加えて、古い世代の遺骨が含まれる場合には、戸籍や除籍謄本の取得に時間がかかることもあります。
複数霊園・複数遺骨の改葬では、スケジュールを早めに組み立てておくことが大切です。
複数の改葬元を効率よく進めるための段取り
まず取り組みたいのが「情報の一覧化」です。
すべての改葬元について、霊園の所在地・自治体名・管理者名・埋葬されている方の氏名と人数・埋葬年代を書き出しておくと、許可申請が何件・何通になるかの全体像がつかみやすくなります。
次に確認しておきたいのが、改葬先の受入証明書についてです。複数の霊園から1か所に遺骨を集める場合、改葬先の寺院や霊園が受入証明書を何名分まとめて発行できるか、また各自治体が原本の提出を求めるかどうかで、取得すべき部数が変わります。
手続きが複数の自治体にまたがる場合や遺骨数が多い場合は、石材店・墓じまい専門業者・行政書士に書類作成のサポートや申請代行を相談することで、負担を減らせることがあります。
ただし、申請者本人の署名や押印が求められる場面もあるため、依頼できる範囲は事前に確認しておきましょう。
まとめ:許可申請の通数は遺骨の数と改葬元の自治体で変わる
改葬元が複数の霊園にわたる場合の許可申請は、お墓の数でも改葬先の数でもなく、移す遺骨の数と、改葬元霊園が属する自治体によって変わります。
遺骨1体につき1通の改葬許可証が原則で、複数の自治体にまたがれば申請窓口も自治体ごとに分かれます。
自治体によってまとめ申請できる範囲に差があるため、まず各窓口に問い合わせるのが確実な第一歩になります。
手続きの全体量を早めに把握したうえで、必要であれば専門業者の力を借りながら、抜け漏れのない準備を進めていきましょう。