【トラブル回避】「離檀」をスムーズに行うには?檀家をやめるときにすべきこと

檀家をやめたいと考えているものの、お寺との関係が気まずくならないか、高額な費用を請求されないかと不安を感じていませんか。

離檀をめぐるトラブルは国民生活センターにも多くの相談が寄せられており、決して珍しいことではありません。しかし、適切な手順と言葉選びを心がければ、檀家をやめることはスムーズに進められます

この記事では、離檀の際に知っておくべき基本知識と、トラブルを回避するための具体的な方法を解説します。

離檀とは?檀家をやめることは自由にできる

離檀とは、お寺との檀家関係を解消することを指します。

檀家制度は歴史的な慣習に基づく関係であり、法的に強制される契約ではありません。つまり、檀家をやめること自体は本来自由な選択です。

近年、少子化や転居により離檀を選ぶ人が増えています。後継者がいない、お墓が遠方にあって管理が難しい、宗教観の変化など、檀家をやめる理由はさまざまです。

一般的に、離檀は違法でも非常識でもなく、現代社会では自然な選択として認識されつつあります。

檀家をやめる前に必ず家族と話し合うべき理由

お寺に申し出る前に、必ず親族間で合意を得ておきましょう。

お墓は家族共有の財産として扱われるため、親族全体の同意がないまま進めると後々のトラブルの原因になります。特に、兄弟姉妹や親戚との話し合いには時間がかかることが多いため、早めの相談が重要です。

また、遺骨の移転先を決めておくことも必須です。改葬(お墓の引っ越しのこと)の許可申請には、新しい納骨先からの受入証明書が必要になります。

移転先が未定のまま離檀を申し出ても手続きは進みません。新しいお墓、納骨堂、樹木葬など、選択肢を検討し具体的な受け入れ先を確保してから動き出しましょう。

お寺への離檀の伝え方で揉めないコツ

離檀をお寺に伝える際、「相談」という姿勢で切り出すことが大切です。

「離檀します」と一方的に通告するのではなく、「家族の事情で離檀を考えているのですが」と相談形式で話を始めると、相手の反発を和らげることができます。

必ず伝えるべきは感謝の気持ちです。「長年お世話になりました」「先祖を大切に供養していただき感謝しています」といった言葉を添えることで、お寺側の感情的な反応を抑えられます。

一方で、お寺への批判や不満は口にしないよう注意してください。どれほど正当な理由があっても、主観的な批判は関係悪化を招くだけです。

理由説明では、「遠方に住んでいて管理が難しい」「後継者がいない」など、客観的な事情を伝えましょう。丁寧な言葉遣いと誠実な態度が、スムーズな離檀につながります。

離檀料は支払わなければいけない?法的義務はない

離檀の際、お寺から「離檀料」を請求されることがあります。

しかし、離檀料に法的な支払い義務はありません。国民生活センターの公式見解でも、高額な離檀料請求については支払う必要がないと示されています。

実際、300万円や700万円といった高額請求の相談事例も報告されています。一般的な相場は5万円から20万円程度とされていますが、これも絶対に支払わなければならない金額ではありません。

ただし、これまでの感謝を形にする意味で、お布施や離檀料として合理的な金額を納めることは、円満な関係終了のために有効です。

金額に疑問がある場合は、内訳の説明を求め、納得できる範囲で協議しましょう。高額請求に困った場合は、消費生活センター(電話番号:188)に相談することをおすすめします。

埋蔵証明書を出してもらえない時はどうする?

改葬には市町村長の許可が必要で、そのためにはお寺から「埋蔵証明書」を発行してもらう必要があります

埋蔵証明書とは:お墓に誰がいつから埋葬されているかを証明する書類です。

しかし、檀家をやめることを申し出た際に、この証明書の発行を拒否されるケースがあり、これが最大のトラブル要因となっています。

埋蔵証明書の発行拒否は、改葬制度の趣旨に反する行為です。お寺が完全に拒否し続ける場合、それは不法行為と判断される可能性があります。

対処法としては、まず市町村の担当窓口に相談してください。自治体によっては、お寺からの証明書がなくても代替手段で手続きを進められる場合があります。

また、消費生活センターや弁護士、行政書士といった第三者を介入させることで、お寺側が態度を軟化させるケースも多く報告されています。

どうしても解決しない場合は、お寺が所属する宗派の本山に相談する方法もあります。宗派本山には傘下の寺院を指導する権限があるため、問題解決の圧力になることがあります。

まとめ:誠意ある対応と正しい知識で安心の離檀を

離檀は法的に認められた権利であり、適切に進めればトラブルを避けることができます。

檀家をやめるときに押さえておくべきポイントは以下の3つです。

  1. 家族との事前調整(親族全員の合意と移転先の確保)
  2. お寺への誠実な対応(感謝を伝え、相談姿勢で申し出る)
  3. 正しい知識の習得(離檀料に法的義務はないこと、手続きの流れを把握しておくこと)

高額請求や書類拒否に遭遇した場合は、一人で抱え込まず、消費生活センターや専門家に早めに相談しましょう。

檀家をやめることは、人生の選択として尊重されるべきものです。誠意ある準備と適切な対応で、新しい供養の形へと安心して進んでいきましょう。