故人の名義のままは危険!墓じまい前に確認すべき最重要ポイント

墓じまいを検討する際、多くの人が見落としがちなのが「墓の名義」です。

亡くなった祖父母や両親の名義のままになっている墓は、実は大きなリスクを抱えています。名義が故人のままだと、いざ墓じまいをしようとしても手続きが進まない、あるいは無縁墓として処分されてしまう可能性があります

無縁墓とは、管理者や継承者がいなくなったお墓のことです。

この記事では、墓じまいを円滑に進めるために知っておくべき名義の問題と対処法を解説します。

なぜ危険?故人名義のまま放置で起きる3つの重大リスク

墓の名義が故人のままになっていると、以下のような深刻な問題が発生します。

リスク1|無縁墓として整理されてしまう

最も危険なのが無縁墓化です

管理費の請求先が不明確になると、霊園や寺院は使用者への連絡ができません。

一般的に、管理費未払いが続くと告示が出され、一定期間経過後に無縁墓として整理対象になります。最終的には合祀埋葬され、個別の墓としては消滅してしまう実務運用が存在します。

合祀埋葬とは、他の方の遺骨と一緒に埋葬されることを指します。

リスク2|墓じまいの改葬手続きが停止する

改葬許可証(お墓を移動する際に必要な許可証)を取得するには、墓地管理者が発行する埋葬証明書が必須です。

しかし使用者が故人のままでは誰が正式な権利者なのか確定できず、手続きが前に進みません

自治体によっては委任状で対応できる場合もありますが、名義が不明確なままでは高確率で手続きが停滞します。

リスク3|親族間でトラブルが発生しやすい

業界調査によると、墓じまい関連トラブルは約50%で発生しており、その多くが意思決定者が不明確なことに起因しています。

名義が故人のままだと「誰が決定権を持つのか」が曖昧になり、親族間の対立を招きやすくなります。

墓の名義が故人のままだと墓じまいできない法的理由

墓の権利は一般的な相続とは異なる仕組みです。

民法897条により、墓は相続財産ではなく祭祀承継(お墓や仏壇などを引き継ぐこと)という別枠で承継されます。これは亡くなった方の指定、地域の慣習、または家庭裁判所の決定によって決まるため、相続人全員の同意は原則不要です。

多くの墓は所有権ではなく永代使用権として管理されています。

永代使用権とは、お墓の土地を永続的に使用できる権利のことです。霊園や寺院墓地では帳簿管理による使用権が一般的で、この使用者が明確でないと改葬などの手続きができません。

改葬を行う際には、墓地埋葬等に関する法律に基づいて市区町村が発行する改葬許可証が必須です。改葬許可証なしで遺骨を移動することは違法です

そして、この許可証を取得する前提条件として、使用者の確定が求められます。

項目内容
墓の権利永代使用権(所有権ではない)
承継方法祭祀承継(相続とは別)
改葬の必須書類改葬許可証(使用者確定が前提)
法的根拠民法897条、墓地埋葬等に関する法律

名義変更はいつ、どうやって行う?

名義変更に法的な期限はありませんが、実務上は故人の死亡時または生前に引き継ぐ際に行うのが有効です

使用者不明の状態が続くと、無縁墓化や手続き停止を招くため、早めの対応が推奨されます。

必要な書類と費用

名義変更に必要な書類は墓地によって異なりますが、一般的に以下が求められます。

  • 故人との関係を示す戸籍謄本
  • 墓地使用許可証
  • 新しい使用者の身分証明書
  • 施設によっては遺言書など追加書類

費用は数千円から1万円程度が一般的です。ただし寺院墓地では別途費用が発生する場合があるため、事前に確認が必要です。

墓じまいを予定している場合でも名義確認を

墓じまいを予定している場合でも、名義を明確にしておくことで手続きがスムーズになります。

改葬の基本的な流れは「改葬先決定→受入証明→改葬許可→遺骨移動」の順で進みますが、改葬先が未定では手続きを開始できません

また、墓じまい全体では最短約2ヶ月、費用は30万円から300万円と幅があり、親族との協議や改葬先の選択で大きく変動します。

まとめ:墓じまい前に名義確認を必ず行おう

墓の名義が故人のままになっていると、無縁墓化、改葬手続きの停止、親族トラブルといった深刻なリスクにつながります。

墓じまいを検討しているなら、まずは現在の名義を確認し、故人のままであれば早急に名義変更を行いましょう。

法的には期限がないものの、実務上の不利益は大きく、手続きが停滞すれば墓じまいそのものが進められなくなります。

霊園や寺院に問い合わせて現在の名義を確認し、必要書類を準備することが、円滑な墓じまいへの第一歩です。名義の問題を先送りにせず、今すぐ行動することをお勧めします。