【全手順公開】失敗しない「墓じまい」完全ガイド|相談から改葬までの流れと注意点

少子高齢化や都市への人口集中に伴い、「お墓の承継」に悩む家庭が増えています。

  • 「遠方に住んでいて管理が負担になっている」
  • 「後継者がいないため、将来無縁墓になるのが不安だ」

こうした理由から、墓じまい(改葬)を検討する方が年々増加しています。しかし、いざ始めようとしても「何から手をつければいいのか」と戸惑う方がほとんどです。

墓じまいは、家族間の調整、行政手続き、石材店への依頼など、複数の工程が複雑に絡み合います。

この記事では、相談から完了までの全体像を6つのステップに分解し、失敗しないためのポイントを解説します。

墓じまいの流れは「6つのステップ」

まずは全体像を把握しましょう。期間は数カ月から半年以上かかるのが一般的です。

手順やることポイント
手順 1事前相談親族の合意と、現在の管理者への連絡
手順 2新しい供養先の決定次の行き先を決め、「受入証明書」をもらう
手順 3行政手続き自治体へ「改葬許可申請」を行う
手順 4業者選定・工事契約石材店の見積もり比較と決定
手順 5閉眼供養・遺骨引取魂抜きの儀式と遺骨の取り出し
手順 6移送・新納骨新しい場所へ納骨し、手続き完了

手順 1|親族の合意と現在の管理者への相談

トラブルの火種は「事前の相談不足」

墓じまいを始める前に、必ず親族全員の合意を取り付けてください。「自分がお墓の継承者だから」と独断で進めると、後から「聞いていない」と感情的なトラブルに発展するケースが後を絶ちません。

寺院・霊園への連絡

親族の合意が取れたら、現在の墓地管理者(寺院や霊園)に相談します。

特に檀家墓地の場合、これまでのお礼を伝えつつ、離檀料(りだんりょう)の有無や金額について確認が必要です。

離檀料とは:檀家関係を解消する際に、これまで供養してくれたお寺へ支払うお布施の一種です。

手順 2|新しい供養先(改葬先)の決定

「次の行き先」が決まらないと手続きは進まない

今の墓地を解体する前に、必ず「遺骨の引っ越し先」を決める必要があります。

次のステップで行う行政手続きにおいて、新しい納骨先が発行する「受入証明書」が必須書類となるためです。

主な改葬先の選択肢

  • 永代供養墓:寺院などが管理・供養を代行(後継者不要)
  • 納骨堂・樹木葬:都市部や自然志向の方に人気
  • 散骨:遺骨を粉末化して撒く供養法

手順 3|行政手続き(改葬許可申請)

現在の墓地がある市区町村役場で、「改葬許可申請」を行います。

「墓地・埋葬等に関する法律」に基づき、許可なく遺骨を移動させることは違法行為となります。

申請に必要な主な書類

  1. 改葬許可申請書:役所で入手
  2. 埋蔵(埋葬)証明書:現在のお墓の管理者に発行してもらう
  3. 受入証明書:手順2で決めた新しい供養先から発行してもらう
  4. 申請者の身分証明書

自治体によって書式や手数料が異なるため、事前に窓口やホームページで確認しましょう。

手順 4|墓石の撤去工事・業者選定

業者選びは「相見積もり」が鉄則

許可の目処が立ったら、石材店に墓石の撤去(解体・更地戻し)を依頼します。

指定石材店がない場合は、必ず複数の業者から見積もりを取りましょう

立地条件(重機が入れるか等)や石の量で費用は大きく変わります。「一式 〇〇万円」という大雑把な見積もりではなく、内訳が明確な業者を選ぶのが安心です。

手順 5|閉眼供養(魂抜き)と遺骨の取り出し

お墓から魂を抜く儀式

工事の前に、僧侶による読経などの宗教儀式「閉眼供養(へいがんくよう)」を行います。

一般的には必須とされる儀式ですので、お寺と日程を調整しましょう。この際、お布施の金額も事前に確認しておくとスムーズです。

儀式の後、石材店の手によってお墓から遺骨を取り出します。

手順 6|移送・新納骨で完了

取り出した遺骨を新しい供養先へ移送します。

新しい墓地の管理事務所へ、手順3で取得した「改葬許可証」を提出し、納骨を行います。これで法的な手続きを含めたすべての工程が完了となります。

最後に、元のお墓がきれいな更地に戻っているか確認することも忘れないようにしましょう。

失敗を避ける!トラブル回避の3つのポイント

墓じまいを円滑に進めるために、以下の3点は必ず押さえておいてください。

1. 親族の合意は「書面」や「記録」に残す

口頭の「いいよ」は後から覆ることがあります。メールや手紙など、形に残る方法で同意を確認しましょう。

2. 契約内容と費用を事前にクリアにする

離檀料や、墓地返還時の原状回復費用(植木の撤去など)は契約によります。想定外の出費を防ぐため、着手前に規約を細部まで確認してください。

3. 信頼できる業者を選ぶ

工事後の追加請求や、不法投棄などのトラブル事例も存在します。価格の安さだけで選ばず、実績や対応の丁寧さを重視して業者を選定しましょう。

まとめ:墓じまいの全体像を理解すれば安心して進められる

墓じまいは、単なる「お墓の片付け」ではありません。親族間の調整、行政への申請、新しい供養の形の選択など、多くの決断を伴う重要なライフイベントです。

重要ポイント

  • 手順 2の「新しい行き先」決定が手続きの鍵
  • 手順 3の「行政許可」は絶対に必要
  • 石材店は相見積もりで比較検討する

費用相場は総額で20万円〜150万円程度と幅が広く、お墓の状況によって大きく異なります。

手順は多く感じられますが、一つひとつのステップを確実に進めれば恐れることはありません。まずは親族と「将来の供養」について話し合うことから始めてみてはいかがでしょうか。