「父は反対、でも母はやりたいと言っている」——墓じまいをめぐって家族の意見が割れ、どうすればいいか分からなくなっている方は少なくありません。
気になるのは「父が嫌だと言っている状態で、手続きを進めることは法的に許されるのか」という点ではないでしょうか。
家族全員が賛成しないと動けないと思い込んでいる方も多いですが、まずは誰が判断の中心になるのかを整理することが大切です。意見が割れたときに確認したい考え方を見ていきます。
もくじ
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墓じまいの決定権は誰が持つのか
「祭祀承継者」という存在が鍵になる
お墓や位牌など、先祖供養にまつわる財産を管理・引き継ぐ人を「祭祀承継者(さいしけいしょうしゃ)」といいます。民法上、この祭祀承継者がお墓に関する基本的な決定権を持つとされています。
ここで多くの方が見落としがちなのが、祭祀承継者は必ずしも「父親」や「長男」と決まっているわけではないという点です。
遺言や家族間の取り決め、慣習などによって変わるため、まずは「墓地の名義は誰か」「祭祀承継者として実質的に認められているのは誰か」を確認することが出発点です。
親族全員の同意が必要か確認する
「墓じまいには親族全員の書面同意が必要」と思い込んでいる方は多いです。
一般的には、祭祀承継者の判断が中心になると考えられます。ただし、墓地の使用規則や家族間の取り決めによって確認すべき点は変わるため、名義や承継者の立場を整理したうえで進めましょう。
家族の意見が割れたときは、誰か一人の感情だけで進めるのではなく、墓地の名義と祭祀承継者を確認し、手続きの前提を共有することが大切です。